実際の葬儀を担当している中原屋 原敏之が綴る、お葬式情報ブログ。
供物について
2014年2月17日 14:40
供物とは、故人の霊を慰めるため、また故人が仏様への感謝の気持ちを表すことを目的として祭壇にお供えする品物のことを言います。
供花と同じくらいの大きさの籠に缶詰や果物などを美しく並べ、祭壇の脇に飾るのが一般的です。
当社では、果物の盛り合わせと缶詰の盛り合わせがあります。
それぞれ10000円と15000円(ともに税抜)があり、盛り方の大きさや量が違います。
冬場は果物でもお引き受けしますが、夏場はなるべく缶詰をお勧めします。
供物を葬儀後すぐにばらして親戚に配るのなら良いのですが、中には日にちが経過してから配る方もいらっしゃるので、果物は心配なんです。
夏場は特にその辺の説明をしっかりしないと、親戚の方から「腐っていた」「腐っているのをお供えしたのか!」なんて言われると困りますので・・。果物でも葬儀当日にばらしてから冷蔵庫にいれてあれば問題ないのですが・・・。
その点、缶詰ですと問題ありません。
しかし最近では花環ほどではないですが、でなくなりました。
他に現在の川崎で全くでなくなった供物ですが、以前には茶盛というのもありました。
空のお茶箱を積み合わせて、中身のお茶の詰め合わせは、直接お客様にお渡ししておくというものです。
ビールケースもありましたが、今は取り扱いしておりません。
果物や缶詰で名札を出さない時は、「ご霊前」と書きます。
浄土真宗などでは「ご佛前」と言いますが、それでも一般的には「ご霊前」で良いと思います。
線香・ろうそくなどを持参する場合にも、掛け紙には「ご霊前」と書けばで良いと思います。
この供物、宗教・宗派により違いがあり、仏式はたいていお供えはしております。
キリスト教は供物を出される方は少ないですね。
神道ですとたまにお供えされる方はいます。神道の場合は榊籠もあります。
また地域性はあります。
東北地方の方の葬儀をすると、供花より供物の方が多いように思います。
ここ川崎ではほとんどでなくなりましたが、花環をまだまだ多く出されているところもあると聞いてます。
ちなみに私が初めて葬儀の手伝いで、花環を立てたのは小学校6年生の時でした。
現場が小学校の校門の近くで、先生に「よくそんな大きなものを持てるなぁ~」と言われ、自慢気だったのを覚えています。
花環は大きく重そうですが、あれはバランスよく持つとそんなに重くないのです。
風が吹くと、吹いている方側に傾けながら運ぶんです。
さて供物の依頼方法についてですが、担当されている葬祭会社に依頼します。
周りの皆様のお供え状況なども教えてくださると思います。自分だけ周りと違うものをお供えして目立ってしまうのは避けたいですから。
供物は、葬儀社で扱っている商品でしたら贈っていただいて問題ないと思います。
特に故人様が好きだったお菓子などがありましたら、それらを直接遺族にお渡しする方もいらっしゃいます。
中には、焼酎が好きだったようで、珍しい焼酎を持参され、お通夜時に故人様にもグラスに注ぎ、ご家族で飲み乾されたということもありました。
葬儀が終わったらお供えされた物は、最終的には食べて残さないようにするので、親族に分けてしまうということなのでしょう。
食べられるものは食べて供養します。口にしてなくすとういことです。返礼品もそうですね。基本的には口にしてなくなるものと言います。
私もそうでしたが、仏壇に仏飯を毎朝お供えしますが、下げたときはまた炊飯器にもどして供養します。
結婚式と違って、記念品というような残るものはしません。
関連ブログ
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