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全体拾骨と一部拾骨 (関東と関西の拾骨文化の違い)

2013年3月14日 10:58

私が所属している「日本葬送文化学会」の研究で、何年か前に火葬場を調査したことがあります。

関東と関西で拾骨の仕方に違いがあり、その境目となる地域はどこかという調査です。

関東では火葬後に遺骨をすべて拾って骨壺に収める「全体拾骨」が一般的ですが、関西では喉仏や歯骨など一部分の遺骨だけを拾い収める「一部拾骨」が一般的に行われています。

このため使われる壺の大きさにも違いがあり、関東では7寸の壺が多く使われているのに対し、関西では3寸の壺が多くなっています。

関東と関西で拾骨文化の違いがどうして生まれたのかははっきりしませんが、その境目の地域はどこなのか、太平洋から日本海に向けて一つひとつの火葬場を皆で手分けして訪ね情報を集めて線引きしました。車で1日500キロは軽く走っていました。すごい経験です。その結果、拾骨文化の違いの境界線は糸魚川線あたりということがわかりました。

川崎の地で分骨は以前からありましたが、一部拾骨という慣習はあまりありませんでした。けれども時代の流れとともに拾骨の方法も変わっていくのでしょうか?

この頃は永代供養の合碑墓地があるところを紹介してほしいという依頼が増えてます。後継ぎがいないから、または娘や息子に迷惑をかけたくないからと様々な理由があるようです。納骨形態(納骨する場所)が変化してきているのがわかります。実際にロッカー式の納骨堂の需要が増えてきているように感じます。

それでは拾骨文化も変わっていくのでしょうか? これから先、もしも川崎で全体拾骨ではなく一部拾骨が主流になると葬儀後の納骨形態がさらに変化することになります。

しかし現在、当社では手元供養のペンダントや小さい骨入れがあまり売れていません。とても綺麗にディスプレイし、見た目は良いのですが、実績には一部の骨だけを収めるということが少ないからでしょう。川崎での全体拾骨という文化は今後もおそらく変わらないと思います。

 

日本葬送文化学会ウェブサイト「葬送文化」 →  http://www.sobunken.jp/home/

 

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