実際の葬儀を担当している中原屋 原敏之が綴る、お葬式情報ブログ。
お盆について ~お盆飾り(2) 霊供膳・十三仏の掛け軸~
2014年6月24日 12:31
前回のブログ「お盆飾り」の中にあげた「霊供膳」「十三仏の掛け軸」について詳しくご紹介します。
<霊供膳>
お盆期間中(7月13日~16日)は一日に三度の霊供膳を供えます。
地方によって細かく献立が決まっている場合もありますが、通常は一汁三菜です。
<十三仏の掛け軸>
お盆には仏壇の扉を閉めて、盆棚に十三仏の掛け軸を祀ります。
これは室町時代あたりから伝わる風習で、初七日~三十三回忌までの忌日に配当した仏様の姿が描かれています。
***十三仏***
初七日 不動明王(ふどうみょうおう)
・・・火を背にして憤怒(いかり)の相をしています。悪を断じて善を修し成仏させます。
二七日 釈迦(しゃか)如来(にょらい)
・・・釈迦族の王子ゴウタマ・シッダルタで仏教の開祖。苦行の末に悟りを開いて生涯を布教に捧げました。
三七日 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
・・・智と慧の徳を悟り「悟りに智慧のシンボル」とされます。智慧の猛威を象徴する獅子に乗っています。
四七日 普賢菩薩(ふげんぼさつ)
・・・理と定と行の徳を司り「理智」を現します。仏教徒を守護する為に六本の牙の白象に乗っています。
五七日 地蔵(じぞう)菩薩(ぼさつ)
・・・人々を救済する為に無数の分身に変化します。賽*の河原で子供達を救う説話が有名です。
六七日 弥勒菩薩(みろくぼさつ)
・・・釈迦の入滅より56億7千万年後の世に現れて人々を救済するとされ、 慈氏菩薩(慈悲の権化)とも呼ばれます。
七七日 薬師(やくし)如来(にょらい)
・・・東方浄瑠璃世界の救主で薬師瑠璃光如来とも言います。人々の病気と迷いを取り除き悟りへと導きます。
百ヶ日 観世音(かんぜおん)菩薩(ぼさつ)
・・・またの名を観自在菩薩(ものの本質を分別し照見する)。 世間の音声(世音)を観じて慈悲を持って救済します。
一周忌 勢至菩薩(せいしぼさつ)
・・・観世音菩薩の大慈悲の勢力を得て世間の人々に悟りを得ようという気持ちを起こさせます。
三周忌 阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)
・・・西方極楽世界の教主で時空を超えて光輝いています。この光明に会う者は迷いから救われます。
七回忌 阿閃(あしゅく)如来(にょらい)
・・・東方阿比羅提世界の教主で煩悩の無い「智」を現します。怒りの無い動かざる心に導きます。
十三回忌 大日如来(だいにちにょらい)
・・・宇宙の本体、すべての存在と認識の根源を仏格化したもので、「理徳」と「智徳」を現す密教の教主です。
三十三回忌 虚空蔵(こくうぞう)菩薩(ぼさつ)
・・・福と智が大空のように無量で広大無辺であるという意味の仏様です。
**備考**
「賽(さい)の河原」とは、小児が死んでから苦しみを受けるとされる冥途の三途の河原。石を拾って父母供養のため塔を造ろうとすると鬼が来て壊す、これを地蔵菩薩が救うという。
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